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4. 総務建設委員会行政視察の様子

令和7年11月11日（火）に、総務建設委員会による行政視察を実施し、茨城県大洗町を訪問いたしました。

「大洗町500円タクシー運行事業」の取組みについて

総務建設委員会では、公共交通の充実に向けた先進事例調査の一環として、大洗町が取り組む「移動支援事業（500円タクシー）」について行政視察を行いました。
本事業は、住民の移動手段の確保と地域交通の持続性を両立させている点で注目されており、多くの示唆を得ることができました。

■ 視察で確認した主なポイント

１．財政負担と事業継続性のバランス
大洗町では、利用しやすい料金を維持するため、令和6年度の町負担額は1人あたり824円、総額344.3万円となっています。
また令和7年度は利用増加により730万円を計上しており、今後の財政見通しと継続性が重要なテーマとなっています。

２．タクシー事業者との協力体制
視察では、次のような運営面の工夫を把握しました。
• 事業者数を2社から3社へ増加し、予約困難の解消を図ったこと
• 一般客が多い時間帯を対象外とするなど、事業者の経営に配慮した制度設計
• 事業開始後、事業者の売上が約1.5倍に増加し、地域経済にも寄与していること

公共交通の維持には、行政と事業者との信頼関係づくりが不可欠である点を再確認しました。

３．利用対象者の拡大と制度の公平性
同町の制度では、対象者を高齢者に限定せず、移動困難者全般へ拡大しています。
さらに、利用時の本人確認方法を改善することで、不正利用の抑制と適正利用の確保を実現しています。
また、循環バスと500円タクシーを役割分担させ、
・バス＝駅・観光地連携
・タクシー＝日常生活の移動支援
といった形で、地域交通全体を最適化している点が特徴的でした。

４．住民サービスとしての効果
利用者アンケートでは、
• 3割が「外出機会が増えた」
• 9割が「満足」と回答
しており、住民の生活利便性向上に寄与していることが確認できます。

■ 視察を踏まえた所感

大洗町は地理的要因や観光客の多さなど、当市とは異なる特性を持っていますが、移動手段の選択肢を複数用意し、住民の生活動線に合わせて役割分担を行うことの重要性を改めて認識しました。
また、財政負担の把握や事業者との協力体制づくり、利用対象者の設定・確認方法など、当市の「高齢者タクシー料金助成事業」を検討するうえで参考となる点が多数ありました。
今後は、今回の視察内容を踏まえ、持続可能で、利用者にとって使いやすい移動支援のあり方を引き続き検討して参ります。