○潮来市空家等の適正管理に関する条例

平成29年3月27日

条例第6号

(目的)

第1条 この条例は,市における空家等の管理の適正化及び空家等の活用の促進により,良好な生活環境並びに市民の安全及び安心を確保するとともに,地域の活性化に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 空家等 市内に所在する空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第2条第1項に規定する空家等をいう。

(2) 特定空家等 空家等のうち,法第2条第2項に規定する特定空家等をいう。

(3) 空家等の跡地 除却した空家等に係る跡地をいう。

(4) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。

(5) 所有者等 空家等又は空家等の跡地を所有若しくは管理する者をいう。

(6) 関係団体 空家等及び特定空家等の対策に関連する団体をいう。

(7) 事業者 市内において不動産業,建設業その他空家等の活用と関連する事業を営む者をいう。

(8) 市民等 市内に居住し,滞在し,通勤し,又は通学する者をいう。

(市の責務)

第3条 市は,この条例の目的を達成するため,空家等の発生の防止並びに空家等及び空家等の跡地の活用の促進を図るために必要な施策を総合的かつ計画的に実施しなければならない。

2 市は,前項の施策の実施に当たっては,所有者等,関係団体,事業者並びに市民等の参加及び協力を促進しなければならない。

3 市は,市民等から受けた空家等に係る情報を適切に管理するとともに,空家等に関する対策を実施するために必要な体制を整備しなければならない。

(所有者等の責務)

第4条 空家等の所有者等は,空家等が周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう,自らの責任において改修その他必要な措置を講ずることにより,空家等を適正に管理しなければならない。

(市民の役割)

第5条 市民等は,空家等が及ぼす生活環境への影響について理解を深め,建築物の有効活用に努めるものとする。

2 市民等は,自らの所有する建築物が,将来において空家等となるおそれのある場合には,市が実施する空家等に関する施策に協力し,空家等の発生の予防に努めるものとする。

3 市民等は,特定空家等があると認めるときに,市にその情報を提供することができるものとする。

(関係団体及び事業者の役割)

第6条 関係団体は,空家等が地域活性化の有用な資源であることを鑑み,空家等の活用の推進に積極的な役割を果たすとともに,所有者等からの相談に応じるよう努めるものとする。

2 事業者は,市が実施する空家等に関する施策に協力し,空家等及び空家等の跡地の活用等に努めるものとする。

(空家等対策計画)

第7条 市長は,第3条第1項の施策を総合的かつ計画的に実施するため,空家等に関する対策についての計画(以下「空家等対策計画」という。)を策定するものとする。

(協議会)

第8条 法第7条第1項の規定に基づき,空家等対策計画の策定及び変更並びに実施に関する協議を行うため,潮来市空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を置く。

2 協議会は,委員10人以内をもって組織し,法第7条第2項に規定する者のうちから市長が委嘱する。

3 委員の任期は2年とし,再任を妨げない。ただし,委員が欠けた場合における補欠委員の任期は,前任者の残任期間とする。

4 委員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(立入調査等)

第9条 市長は,空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関し法及びこの条例の施行のために必要な調査を行うことができる。

2 市長は,法第14条第1項から第3項までの規定の施行に必要な限度において,市長が指定する職員(以下「指定職員」という。)又はその委任した者に,空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。

3 市長は,前項の規定により指定職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは,その5日前までに,当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし,当該所有者等に対し通知することが困難であるときは,この限りでない。

4 第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は,その身分を示す証明書を携帯し,関係者の請求があったときは,これを提示しなければならない。

5 第2項の規定による立入調査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(助言又は指導)

第10条 市長は,調査の結果,空家等が特定空家等となるおそれがあると認めるとき,又は特定空家等であると認めるときは,所有者等に対し,必要な措置について助言又は指導することができる。

(勧告)

第11条 市長は,前条の規定による助言又は指導をした場合において,当該空家等の所有者等が正当な理由がなく,当該助言又は指導に従わない場合で,かつ,当該空家等が特定空家等であると認めるときは,当該助言又は指導を受けた者に対し,相当の猶予期限を付けて,必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(措置命令)

第12条 市長は,前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなく,その勧告に係る措置をとらなかった場合において,特に必要があると認めるときは,その者に対し,相当の猶予期限を付けて,その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。

(代執行)

第13条 市長は,前条の規定により必要な措置を命じた場合において,その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき,履行しても十分でないとき又は履行しても同条の期限までに完了する見込みがなく,その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは,行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い,自ら義務者のなすべき行為をし,又は第三者をしてこれを行わせ,その費用を当該命令を受けた者から徴収することができる。

2 前条の規定により必要な措置を命じようとする場合において,過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて第10条の助言若しくは指導又は第11条の勧告が行われるべき者を確知することができないため前条に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は,市長は,その者の負担において,その措置を自ら行い,又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては,相当の期限を定めて,その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは,市長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

3 市長は,前項の措置を講じた後に,所有者等を確知又は所有者等の所在が判明したときは,その所有者等から当該措置に係る費用を徴収することができる。

(緊急安全措置)

第14条 市長は,調査の結果,特定空家等が危険な状態であり,助言又は指導,勧告,措置命令,代執行等の措置を執るいとまがない急迫した状態にあると認められる場合で,かつ,次の各号のいずれかに該当するときは,その状態を回避するための必要最低限の措置(以下「緊急安全措置」という。)を講ずることができる。

(1) 所有者等から危険な状態を自ら解消することができない旨の申出があったとき。

(2) 所有者等が判明しないとき,又は所有者等の居所が不明であるとき。

2 市長は,緊急安全措置を講ずる場合は,当該所有者等の同意を得て実施するものとする。ただし,所有者等が判明しないとき,又は所有者等の居所が不明であるときにあっては,この限りでない。

3 緊急安全措置を講じた場合において,当該措置に要した費用は,所有者等の負担とする。当該措置を講じた後にその所有者等が判明したときも同様とする。

(関係機関との連携)

第15条 市長は,必要があると認めるときは,警察その他の関係機関に対し,特定空家等の改善に必要な協力を要請することができる。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は,規則で定める。

この条例は,平成29年4月1日から施行する。

潮来市空家等の適正管理に関する条例

平成29年3月27日 条例第6号

(平成29年4月1日施行)